何度も現在の住所を確かめつつ、私はなんとか二号線まで戻り渋滞の中海岸線を順調に走り抜けて行く。 行けども行けども似たような景色だったが、明石に近づいた頃、初めて見る明石海峡大橋にちょっと感動。 さあ〜いよいよ近づいてきた。2国ラーメンのある明石に。
場所はインターネットを使って事前に調べておいたのでバッチリだ。 っと思ってる間にだんだん町が開けてくる。 そう明石だ。 神戸を離れてはじめて高層ビルが建ってる町、明石だ。 2国ラーメンにはいくつかの支店がある。 だが私は『やっぱ行くんなら本店っしょ』と勝手に決めていたので、わざわざ途中にもあった支店をすっ飛ばしてココJRは明石駅の近くまで来たのだ。 だもんで駅前で躊躇なく車を駐車場に入れる。 つってもくるくる周辺を走りまくって一番安いトコを探し回った後ではあるけど。 なんせこーんな遠い所まできて駐禁切られちゃかなわねえ。 そして無事車を駐車場に停めた後、住所を頼りに店を探す事にした。 だがない。 マジでない。 消えたかここは俺を騙す為に作られたニセ明石か?と思うくらい店が見つかんない。 それになんだ、ここらへんは住所表示の札を付けてる建物が異様に少ない。 店の住所とは全然関係ないとこも数十分探して歩いてしまった。 だが、そうこうするうちにだんだん調べてねえのはココら辺しかねえ、ってところが残ってきた。 もう後は絨毯爆撃だ。店っちゅう店をシラミツブシに見てみる。 それでもない。 住所を何度も確かめるがこの近辺であることは間違いないのだが・・・ そうこうするうちに、なんとまた尿意が私を襲ってきた! まーいぃ。もうすぐだ。もうすぐきっと見つかる。 そこで、頭を冷やして考えてみる。 店の名前は「2国ラーメン」。じゃあどう考えてもやっぱこの2号線のすぐ道沿いにあるんじゃないのか? どう見たってそれらしい建物は見えないがとにかくしばらく2号線を西にちょっとオカマ入った歩きで行ってみる事にした。 そのうち、よく見りゃラーメン屋と言われても何とかおかしくないって建物が見えてくる。 だが、近づくにつれサビれた雰囲気がバリバリ漂ってきた。 その建物の前まで来て、ふと上を見上げると・・・『2国ラーメン』。 おーあったー。でも、でもどう見たって廃屋だ。 ご丁寧に店の下のほうには“貸店舗”の看板まである。 潰れとったんかーい! 私は途方に暮れてしまった。 なぜならシャッターに貼ってあったであろう移転先の書いたポスターは風雨か誰かのイタズラの為かボロボロになっており、判読は不可能な状態になっていた。 だんだん強くなる尿意の中、辺りに人影はなく、私はそんな状況で一切の手掛かりを失ってしまったのである。 “MICKさんに電話して聞いてみるか?” そんな考えも浮かんだかなんだか2国ラーメンに負けたような感じと、攻略本見ながらゲームをするような感覚があったため、なんとか自力で見つけようと思案を続ける。 ああションベンしてえ。 そんな思いの中、ふと通りの反対側にあるやたらでっかい建物を見上げてみる。 あっNTTや! そんでNTTといえば、そう電話帳だ。 さすがにコレには一番新しい情報が載ってるだろう。そう確信し、すぐ前にあった電話BOXにて電話帳を丹念に調べ上げる。 そしたら早速載ってる載ってる。 だが、どれが本店だかは書いてない。 でもまーとりあえず写真に写しとくか。 そう思っておもむろに電話帳を撮りまくってみたが全部ピンボケ。 デジカメで近くのものを撮る時はマクロモードなる設定にしないといけないらしいが、何故かその設定にすると電池が切れる・・・。 どないせーっちゅうねん。 結局My電子手帳ザウルスに手書きで書き写し、電話帳で一番先頭に載っていた西明石店まで行くことを決意。 この時点でも膀胱は相当危険な状態だったが、一瞬訪れた小康状態の間に駐車場に戻り、車を発進させる事に成功した。 そして、丸損した駐車場代の分を取り戻すべく車をひた西明石へと走らせた。 が、ここでまた事件だ。 まだその全然途中である硯町という辺りで急激に尿意が膨張し始めたのである。 イカン!マジ漏れる! そう思った矢先に目の前に2国ラーメンラーメン明石店が! 気がついた時にはもう店の中に入ってました。 注文もせずにイキナリ便所に駆け込むのはサスガにマズいだろう。高鳴る鼓動を押さえつつとっとと注文の品を決める為メニューに目を向けると・・・ 定食しかねえ。 今や時間は2時に近い。つまりoff会までも近いのである。 ここで定食モノをたのんでしまうと肝心のoff会で食べられなくなるなー、と思ったが急をようしていたので一番無難な餃子定食をとっととたのむ事にした。 で、その直後にトイレへ。 ああ至福。 こうして苦心惨憺して口にいれた2国ラーメンであったが・・・ 薄味好みの私にはちょっと味が濃かった。 |